− Web写真集 6 − 「6000系がやってきた!」
2.川重兵庫工場搬出〜市場車両搬入基地まで
国道上でしばし小休止の6002。初めて間近でみるブラックフェイスは、なかなか好感の持てる横顔です。
日付は変わって3月13日未明、いよいよ川重から市場車両搬入基地への搬出作業がスタートです。
静寂が辺りを支配していた川重兵庫工場に、少しずつ動きが出始めました。
当日は私を含め、現地では十数名の同好の士が搬出を待っていました。
ゆっくりと北門の扉が開かれ、留置されていたトレーラーのエンジンがスタートし、ヘッドライトが進路を眩しく照らす。
係員の方々も慌しく配置に就き、搬出に向けて緊張感が高まってくるのが伝わってきます。
先頭は中間電動車の6101。その後方には神戸寄の制御電動車6002の姿が見えます。
まずは出口寄りの6101が先にゆっくりと北門を出発。続いて6002も係員の誘導で後に続きます。
工場北側の曲がり角をダイナミックに右折。一般の鉄道会社の車体に比べてやや小ぶりとは言え、
18m級の電車が公道を行く姿は、やはり迫力がありますね。
(上)国道上に姿を見せた6002 (下)工場出発時の先頭は6101
生まれたての新車6000系が、ついにはっきりと、その姿を私たちの前に現しました。
国道2号線に出たところで一旦停車。ここで先導車も含めて隊列を組成します。
連結部や台車周りの点検も入念に実施。輸送に従事する係員の方々の打ち合わせも終わり、いよいよ
市場に向けて出発です!
深夜の新長田付近、すっかり車通りの少なくなった国道の真ん中、彼方から青色のパトライトがぐんぐんと
近づいて来る。やがてトレーラーのエンジン音も軽やかに、颯爽と目前を走り去って行きました。
神戸電鉄の車両が活躍するフィールドは、豊かな緑に囲まれた六甲山系。
港に程近い川重兵庫工場で生まれた電車は、大規模な修繕工事等がない限り、戻ってくることはありません。
国道2号線の須磨〜明石間は、神鉄の車両にとって唯一、潮の香りを受けて走る場所・・・。
明石市内までやって来ましたが、ここで一旦6000系とはお別れ。
未明の国道を走り去り、次第に遠くなってゆく彼らの後ろ姿を見守りつつ、無事に今日の輸送が終わる事を
願いながら、帰途に就きました。
(写真は全て、公道上より撮影)
(2008.03.19 記)