1983年(昭和58年)3月の記録
                
                 −鈴蘭台工場入換車(旧デ101)の更新修繕−



鈴蘭台工場の入出場車両を牽引する入換車は、昭和4年に日本車両で製造された旧デ101形101号の
現在の姿です。昭和46年に廃車となった後、一時有馬ヘルスセンターでの静態保存も検討されていた
そうですが、諸般の事情で取りやめとなり、釣掛モータ特有の低速トルクの強みを生かして構内入換車を
勤める事となりました。


その後、さしたる改造も受けずに作業に従事して来ましたが、老朽化が著しく進んだ事より、昭和58年1月〜
3月に掛けて車体の更新修繕を実施、現在とほぼ同様の姿となりました。
車籍は既に無く、鈴蘭台車両工場の機械扱となっていますが、最近外壁の修繕を行ったとの事で、今後も
当分現状のまま使用予定だそうです。


願わくば、製造当初の姿に復元できればなぁ・・・と思うのは私だけではないのでしょうね。本線走行は多分
無理でしょうから、せめて「鉄道の日」等に構内を動態保存車両が闊歩できれば・・・
そんな夢を今でもよく見ます。
今や数少ない、神鉄の開業当初からの生き証人。これからも元気で過ごして欲しいと思う、今日この頃です。



(写真はいずれも83.3.17 鈴蘭台車両工場にて  許可を受けて撮影)


     
 
    更新修繕を終えて出場した旧101  塗装は旧神鉄標準色(窓周りサーモンピンク+グレー)から、
    事業用車標準色のマルーン一色となった。窓は一部撤去の上固定・Hゴム化、客用扉は撤去された。
    前照灯はシールドビーム化された。





       

    (左)台車(日車D−16)は地方私鉄車両の標準的なイコライザー台車。
    (右)制御装置はHL間接非自動。機器上に「神戸電気鉄道」の文字が見える。





       

   (左)車内の様子。椅子やドアエンジンは撤去、元空気溜が室内に配管されている。現在は一部電気
   機器も車内に設置されている。
   (右)運転台。マスコンと直通ブレーキ、双針圧力計のみのシンプルな配置。





    

    入換車の大きな特徴である連結器(神戸方のみ)全検・要検等で仮台車を履いた車両を入換する
    関係から、車高の違う車両を連結できる様、独特の形状をしている。






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