1975年(昭和50年)7月の記録

      
            −3000系3006Fの搬入風景を追う−

                        (写真は松本崇・坂下孝伸氏撮影)



      
       川重兵庫工場より搬出後、兵庫駅のヤードで発車を待つ甲種回送の3105-3006
       先頭はDD13 636、車掌車の存在も今となっては懐かしいですね。
                                                             (写真ご提供:松本 崇様)

       −神戸電鉄の新車搬入ルートの変遷−

       神戸電鉄の軌間は国鉄(現JR)と同じ1067mmを採用しており、昭和38年までは車扱貨物も取り扱って
       いた事から三田線三田駅と粟生線粟生駅に連絡線の設備がありました。
       当時の新車搬入は川重兵庫工場から甲種回送され、粟生から行っていましたが貨物廃止のあおりを
       受けて三田からの搬入に変更、さらに福知山線の貨物取扱廃止により、現在のトレーラーによる陸送に
       変更されました。
       現在は三田・粟生とも連絡線は既にありませんが、同じ軌間で福知山・加古川両線とも電化された現在、
       相互乗入はまだ夢物語なのかなぁ・・・と思ってしまいます。


       今回ご紹介するのは昭和50年7月に増備された3000系の第三編成、3006-3105-3106-3005の搬入風景です。
       当時は川重より搬出し、兵庫〜鷹取〜吹田を経て福知山線入りし、三田から電機にて鈴蘭台へ回送
       するといったコースで、3006-3105、3106-3005を2両ずつ2回に分けて搬入作業を行っています。


       
       
甲種回送時に添付される車両検査票の荷札。「兵庫発三田行」の文字が読み取れます。最大高・幅・長は
       
3000系の寸法と一致します。
                                               (写真ご提供:松本 崇様)

       

       
       出発前の3105-3006.前後を車掌車に固められ、発車の時を待ちます。
                                                          (カラー写真ご提供:松本 崇様)



       
       
鷹取から一路吹田を目指す3006-3105。先頭はEF6014、ワムフ×2+ヨ+3006-3105+ヨの豪華(?)編成です。
                                                  (写真ご提供:松本 崇様)



       

       
       
DD54 23牽引の貨物列車で到着した3106-3005の2両。暗闇に3000系のウルトラマンカラーが光ります。
                                                (写真ご提供:坂下 孝伸様)


       
2回目の搬入である3106-3005の搬入の様子について、今回の写真をご提供頂いた坂下氏に話を伺う事ができました。
        それによると・・・

        三田駅の3106-3005は、21:45頃に吹田から中線へ到着。22時頃後続の429D キハ26252が到着。
        キハ出発後、篠山方へDD+貨車+神鉄で移動、下り線を推進逆行し、ホームを抜けて大阪方の側線へ
        神鉄車両を押し込みます。
        神鉄車両を切り離し、元の経路を通って、中線へ戻りました。

        側線から神鉄三田駅へは、人力で1両づつ移動。終電少し前にED2001が到着。
        車内灯の点かない真っ暗な車両ですが、尾灯だけは点灯させる必要があるため、大きな懐中電灯に
        赤いレンズを被せて尾灯としました。

        この後、終電後に電機に牽引され、鈴蘭台まで回送されたそうです。


       
       
後続のキハ26が到着。九州から引っ越して来た私にとって、神鉄のツートンカラーは、当時の国鉄気動車の
         カラーに似た印象が有ったのも、他の私鉄と違う印象を持った理由だった様です。

                                               (写真ご提供:坂下 孝伸様)





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