専用軌道から併用区間へ乗り入れてきたモ880形。
        第二の故郷となった福井の街に、彼らの姿もすっかり定着したようですね。



     2007年8月の撮影日記から−福井鉄道・えちぜん鉄道日帰り訪問・その1−



       今年の夏は例年にない猛暑!それでも休暇が近づくと、電車小僧の血が騒ぎます(笑)
       しかしながら、今年は諸般の事情で一泊(夜行)でのスケジュールが少々難しそう。
       それでは日帰り圏内で・・・という事で、懸案であった旧名鉄600V区間の電車に会いに行く事としました。
       目的地は越前の国、福井。今回は約15年ぶりとなるえちぜん鉄道の旅も一緒です。

       尚、今回の旅の事前準備にあたっては、下記のHPにお世話になりました。
       北陸の私鉄  http://www1.coralnet.or.jp/suwa_h/
       福井鉄道公式HP  http://www.fukutetsu.jp/
       えちぜん鉄道公式HP  http://www.echizen-tetudo.co.jp/


       

       さて、とある日の早朝、大阪駅よりサンダーバードに乗車して約二時間。
       今日も暑い一日となりそうな福井駅のホームに降り立つと、早速食パンマン電車がお出迎えです。

       真新しい高架の福井駅前を出て、通りを少し歩くと、数年前に降り立った岐阜市内と同じような光景が
       目に飛び込んできます。
       やがて、彼方からゆっくりと姿を現した電車は・・・。


       

       

       紛れもなく、旧美濃町線で活躍していたモ880形。約2年半ぶりの再会です。
       884Fの車体には、スポンサーは違うものの揖斐線で走っていたモ770形と同じ高橋尚子のラッピング。
       「やぁ、久しぶり!」思わず、懐かしさがこみ上げて来ます。

       写真もそこそこに乗り込もうとすると運転士さん、「ここで方向を変えますから、慌てなくてもいいですよ」と(笑)


   

  (左)扉開閉スイッチも名鉄時代そのまま。「此ノ戸」「他ノ戸」の表示が岐阜での活躍を思い出させます。
     「続行列車あり」を知らせる黄色の丸標識も健在でした。
  (右)884号車の定期検査票には「事業者 名古屋鉄道」の文字が・・・。


       福井駅前を出発した武生新行きの電車は、500mほど走って市役所前停留所へ。
       市役所前にはデルタ線がなく、分岐は田原町方面のみの一方向だけなので電車はもう一度、方向転換をしなくては
       いけません。先程の運転士さんがまたブレーキハンドルをもって、反対側の運転台へ。
       ほどなく電車はポイントを渡って転線し、武生新方面への停留所に停車。今度は分岐をまっすぐ、武生方面へと
       向かいます。


       

       軌道線部分は市役所前から二つ目の木田四ツ辻まで。
       福井新の手前から専用軌道となり、電車は約60km/hのスピードで水を得た魚のように走ります。
       線路状態のせいか、横揺れがかなり激しく往年の西鉄北九州線のようですが、懐かしいジョイント音は健在です。

       ちなみに名鉄からの転籍にあたっては、福鉄仕様のワンマン装置設置やシングルアームパンタへの交換の他
       モ880形には高速走行に対応するため、歯車比の変更や弱め界磁の増設が実施されています。


       

       電車は日中20分ヘッドの分かりやすい時間設定。交換可能駅も多く、対向列車も頻繁に姿を現します。
       雪除けのためポイント上に設置されたトンネル状のシェルターは、雪国独特のもの。


       

       約50分ほどで、電車は終点の武生新に到着します。○○新という駅名は福鉄ならではですね。
       左側に停車中の電車は、旧揖斐線で活躍していた後輩のモ780形。
       好ましいデザインの福鉄カラーもすっかりなじんでいます。


       

       構内のはずれには、リバイバルカラーの福鉄オリジナル200形がお昼寝中。
       収容力が大きく、現在も朝夕のラッシュ時には走っているそうですが、駅員さんの話では本日お休みだとか。
       お盆休みの最中だからでしょうか。残念!


       

       200形が昼寝中の傍らを、最後の活躍を続ける419系が下って行きます。
       月光型の先頭に、往年の寝台特急の面影を残して・・・。


       

       武生新から少し歩いて、隣の西武生駅へ。何とも味のある、古びた駅舎に隣接してこれまた好ましい雰囲気の車庫が。
       まるで昭和時代を再現した、模型のレイアウトのようです。


   

  (左)地方私鉄独特のスタイル、凸型のデキ3。昔は信越化学への貨物輸送に活躍していたそうな。
  (右)後方は元名古屋市営地下鉄1000系を両運改造したモハ600形。手前の台車の正体が気になりますね〜。


       

       往路でロケハンの際、チェックしていた鳥羽中で途中下車、絶好の舞台の下で電車を待つことしばし。
       VVVFにシングルアームパンタの颯爽とした姿でやってきた電車、モ800形は2000年生まれのまだ若僧。
       軽快な足取りが、真夏の水田に良く似合います。


       

       再び車中の人となり、浅水〜ハーモニーホール前で途中下車。
       田園風景の中で暫く撮影の後、再び電車に乗って福井新で下車。
       こじんまりとした駅の雰囲気と配線は、往年の揖斐線黒野駅を彷彿させるものがあります。
       さて、広い構内の片隅で発見した、電車小僧にはたまらないものとは・・・?


   

  (左)まるで貨車にモーターを取り付けたような正統派かしゃでんしゃ、デキ11。これでも立派な電気機関車!
     右側は除雪用のDL。どちらも雪上車のような円形ワイパーが、雪国の車両である事を感じさせます。
  (右)バラスト散布用のホッパー車、ホキ1641・1642。柵もない道路に面した引込線の片隅でお昼寝です。


       

       ドコモカラーのモ880形が、併用区間へゆっくりとカーブを曲がってきました。
       明るいカラーの電車は、たった2両でも街中の景色に華を添えてくれます。路面電車のいいところですね。


   

  木田四ツ辻を発車した電車が専用軌道へ進入。このあたりの雰囲気も揖斐線の忠節あたりと良く似ています。
  系列が名鉄系である事に加えて、岐阜の600V区間と路線規模やロケーションが近似している事も、連接車たちが
  活躍の場を得られた大きな要因ではないでしょうか。


       

       福井名物?「ジャンジャン踏切」の看板。同様の表現はえちぜん鉄道でも見掛けました。


       さて、この後訪問のえちぜん鉄道は「その2」に続きます。しばしお待ちを!

       (2007.9.6 記)


                                                                                                        −「その2」えち鉄訪問記へ−       −TOPへ−

   

inserted by FC2 system