1983年(昭和58年)5月の記録
−湊川・菊水山・新有馬駅点描−
−地下鉄山手線(新長田〜大倉山) 開業前夜−
昭和58年4月当時の湊川駅風景。この数年後に外見を少しリニューアルしています。
三田行の800系3連が到着。発車案内の表示器も懐かしの「パタパタ式」です。
湊川駅近辺は折りしも地下鉄山手線が
部分開業する約一ヶ月前。商店街付近は
開業前のアピールに賑わっていました。
菊水山駅で下り列車待ちの光景。当時は停車列車の本数も多く、駅下の砂防ダム付近で
遊ぶ家族連れの姿も時折見かけられました。
休止中の有馬線新有馬駅ホーム。有効長は列車2両が停まれるかどうか・・・。
付近には登山道らしき道があるものの、人家は全く有りません。トンネルの向こう側は、
終着有馬温泉駅です。
−休止中の有馬線新有馬駅について−
有馬線の新有馬駅は、昭和3年の神鉄開業時より設置。有馬口より1.7km、有馬温泉より
0.7kmの位置に存在し、ご存知の通り昭和50年6月15日より営業休止となっています。
新有馬駅については過去にもさまざまなHPにて話題になっていますが、今から約20年前、
当時神鉄にいらっしゃった社員の方から詳しいお話を聞く機会がありました。
付近は現在全く人家もなく駅近辺も立ち入り禁止となっていますが、営業当時は付近にまだ
数件の人家が有り、最後の一軒は「太閤焼」という焼き物で生計を立てていたとの事。
しかし、その一軒が立ち退いた後は乗降客は皆無となり、昭和43〜49年迄毎年一回の
交通調査でも乗降客は常に「0人」だったそうです。
ちなみに停車列車は現在の菊水山駅と同様に列車が指定されていましたが、休止直前の
ダイヤでは停車列車は何と上・下各一本だけ。
降車客は予め、その旨を乗務員に告げなければ停車せずに通過してしまう事もあったとか・・・。
小学校の頃、友達と「新有馬って電車停まらへんねんぞ!」って話題になった理由は、ここに
あったのですね。
現在手許にある、昭和48年3月4日改正時の2号(休日)ダイヤグラムです(数年前に鉄道用品
販売店で偶然見つけて購入したもの)新有馬の停車列車は上記の2本だけ!!
ちなみに227レは9時35分発の有馬温泉行、238レは13時34分発の新開地行です。
駅名票の上には「乗降のお取扱いは出来ません」の
立て札が・・・かなり前に立て札ごと撤去されてしまった
様です。
3月26日からの菊水山も、このような光景と
なるのでしょうか・・・。
新開地行のデ1300形4連が通過していきます。
付近は休止当時、大規模保養施設(仮称:有馬ユースピア)として開発の計画があり廃止と
しなかったとの事ですが、計画は中断され、駅自体もホームを残すのみで再び自然に還って
いこうとしています。
−前ページへ戻る− −TOPへ−