鵯越を出発して菊水山へ向かう1100系3連。現在は木々が生い茂り、写真の光景は撮影出来なくなりました。


     −1983年(昭和58年)11月のアルバムより・・・菊水山〜鈴蘭台旧線を行く−



     
本年も毎年恒例の「ジョイフル有馬」キャンペーンがスタート。HM付きの列車を見るといよいよ紅葉が始まり、
      深まり行く秋の気配を感じるものです。
      今回ご紹介するのは、今から約22年前、昭和58年11月の菊水山〜鈴蘭台間の旧線風景です。
      現在は石井ダムの建設に伴って延長1184mの菊水山トンネルて一気に抜けてしまい、以前の様に風光明媚な
      姿を車窓から見る事はできなくなってしまいました。

      以前より車窓から眺めていた菊水山の山腹へ登ってみようと思っていましたが、紅葉の美しくなる11月下旬に
      計画を実行する事にしました。
      菊水山で下車後、山頂を目指す登山道を歩き、途中から進路を北に向け、道無き道をひたすら登り続けます。
      当時は工事に先駆けての調査等も行われていた様で、車窓から現在のダム建設現場付近にトロッコの姿が
      見えたりしていました。

      遠くから聞こえる電車の音だけを頼りにし、熊かイノシシでも出てきそうな藪の中を恐る恐る掻き分け、工事用の
      ロープを掴んで体を引き上げ、山を越えるとそこに広がる光景は・・・!
      

      遥か彼方を電車が模型の様に走ってゆく。山々にジョイント音が「カタンカタン」と軽快に響き、警笛がこだまして
      「ゴーッ」という音と共に電車がトンネルに吸い込まれていくのが分かります。
      今までの苦労が一気に吹き飛んでしまう程の見事な絶景が目前に広がり、ただただ「感動!」でした。


      

      当時の最新鋭、デ1350形の第二編成(1356-1355+1354-1353)が鈴蘭台目指して50パーミルを登ります。
      Kマークに車体裾帯が何とも新鮮でした。
























 デ300形の上に見える岩場は「名号岩」と
 呼ばれるロッククライミングの練習場で、この日も
 クライマーの姿が何人も見えました。












      


















 その昔は大分県の耶馬渓に例えて
 「神有耶馬渓」とも言われた同区間。

 戦前には実際に「神有耶馬」と言う
 駅が存在(S7.7.25〜S14.2.15)して
 いました。林間学校の為の駅だった
 様です。菊水山駅が開業したのは、
 その後のS15.10.5でした。

 旧塗装のデ300形4連が新開地へ
 向かって急坂を降りていきます。
 短い秋の陽射しも、そろそろ西の
 稜線へ隠れようとする頃・・・。







      

      模型のレイアウトの様な中を、デ1050形を先頭にした上り列車が行く。

      この後、少し山腹を登ると細い山道に出て、そこから一旦菊水山頂上へたどり着き、小休止の後鈴蘭台へ
      降りました。
      旧線の廃止までこの後も4〜5回彼地を訪れ、神鉄ならではの風景を堪能したものです。
      今後も折に触れ、少しずつ作品をUPして行きたいと思います。



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