1973年8月、鈴蘭台車庫に姿を現して間もない3001F。デ211形213号車との並びが、世代交代を感じさせます。
(写真ご提供:神戸伝様)



 − 3000系3001Fが除籍…初代ウルトラマン墜つ −


その独特なスタイルから、私たちの世代では、今でも神鉄のイメージリーダー的な存在である 「ウルトラマン」 こと3000系車両。
7月中旬に発売された 「鉄道ダイヤ情報」 でも既報の通り、トップナンバーの3001Fが、3月31日付でひっそりと除籍されました。

昨秋、デビュー40周年を迎えた矢先の出来事で、同年代の車両がまだまだ活躍している中の引退は、やはりショックでした。



3000系の第一編成、3001Fが登場したのは、1973 (昭和48) 年9月のこと。
当時私はまだ小学生でしたが、新聞の片隅に載っていた新型車両の紹介記事に、ワクワクした事を今でも覚えています。

ほどなく登場した3000系は、眩しく輝くアルミの車体に、特徴あるダブルタイフォンの響きがとても格好良くて、小学校の窓から
いつも羨望のまなざしで眺めていたものです。神戸電鉄を題材にした写生大会のモデルは、もちろん3000系。(笑)
それまでの1000系列車両と異なる、側面の大型下降窓や阪急電車のような木目デコラの内装、独特の横型マスコン等、
見るもの全てが新鮮で、当時の憧れの車両の一つでした。




旧塗装時代の3001F。シンプルながら好ましい塗り分けで、正に 「初代ウルトラマン」 を彷彿させるデザインです。







旧線時代の谷上駅付近を行く3001F。1982 (昭和57) 年3月の撮影です。
当時の広告物や社外用の封筒には、3000系の写真やイラストが多数使われており、神戸電鉄を代表する花形車両として、
多方面で活躍していたことが伺えます。






3001Fは1992 (平成4 )年3月に新塗装化されて、「帰ってきたウルトラマン」 スタイルに変身。
ワンマン化改造によって客用扉上部の戸閉センサ設置や、助士席側ワイパーの大型化等、外見もちょっぴり変化しました。




2012 (平成24) 年12月の見津車庫で、茶坊主デヤとのツーショットが実現した 「KOBE de 清盛」ヘッドマーク付きの3001F。
トップナンバーの3001Fは、撮影会や各種ヘッドマーク掲出のイベントに度々抜擢され、注目度の高い編成でした。










2014 (平成26) 年3月末の除籍後に編成解除され、鈴蘭台車庫の片隅で留置中の3001・3102号車。
既に部品の一部は撤去されており、昔日の活躍ぶりを永年見てきたファンの一人として、心が痛む光景です


多段式制御装置や定速度抑速制御の採用等、1000系列と異なる機器を採用している事や、昨今の減量ダイヤで4連運用が
余剰気味である事を考慮すると、残りの仲間を維持していくための苦渋の決断だったのでしょうね。


残された8編成の 「ウルトラマン兄弟」 の末長い活躍と、満身創痍の車体が少しでも補修されて美しくなることを祈るとともに、
永年活躍を続けてきた3001Fに、心より労いの言葉を送りたいと思います。本当にお疲れ様でした・・・


又、デビュー時の貴重な写真を、快くご提供いただきました神戸伝さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


 (2014.08.02 記)



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