約2年半ぶりに更新修繕が施され、懐かしの旧塗装が復活したカコテクノス小野工場の「(一番)いいな号」1117号車。
往時の色調だけでなく、乗務員室部分から後方の客用窓にかけて斜めに狭まった窓廻りのラインも、忠実に再現されています。


 − カコテクノスの静態保存車1117号車 懐かしの「旧塗装」に復元!−



2011年08月更新の本欄でもご紹介しました、小野市の精密機器製造会社「カコテクノス」の1117号車。
神戸電鉄唯一の静態保存車両でもある同車は、元々社員の研修用として譲り受けたものですが、一般公開も行われ、
粟生線沿線でも存在感の高い名所の一つです。(:見学には同社への事前申込が必要)

譲渡時には塗装更新と併せ、外装保護の為のコーティングが施されていましたが、約2年半の歳月がが経過し、塗装の劣化や
車体の一部補修も必要になってきたことから、2013年11月上旬〜中旬にかけて車体の更新修繕が実施されました。

特筆されるのは、懐かしの「旧塗装」が復元された事です。
シルバーグレーの下地に、窓廻オレンジの懐かしいツートンカラーを思いだされた方も、多い事でしょう。
1993年03月の800系さよなら運転を最後に姿を消した「旧塗装」、1117号車では1987年06月まで採用されていました。
懐かしのスタイルが見られなくなってから、いつしか20年の歳月が流れていたのですね・・・。

更新修繕も無事竣工した11月22日からは、一般公開も再開。
当日は同社のご好意により、晴れて「旧塗装」に復帰した1117号車を見学する機会に恵まれました。
(写真の公開にあたっては、株式会社カコテクノスの了承をいただいております)






(上) 2011年08月訪問時の1117号車。現在の一般的な1000系列車両の塗装です。
(下) 今回の更新修繕で見事に蘇った「旧塗装」の1117号車。「新塗装」との違いが良く分かります。




更新修繕にあたっては、下地塗装剥離〜二重の再塗装実施のほか、腐食した外板の補修も実施。
車体にはフッ素コーティングが施され、5年程度は効果が持続可能との事です。


   

神戸電鉄最後のツーマン車両1117号車。前面の種別・行先表示幕は手動の旧字体型で、側面の方向幕も追設されておらず、
冷房装置設置以外は、ほぼ「旧塗装」時代の姿を再現。側面社紋や車番の塗装もパッチリです。




転動防止の為、車体は譲渡時に設置した鉄筋でしっかり固定されています。




窓廻りのオレンジラインが、周囲の風景に映える1117号車。
リアルに再現された現役当時の美しい姿には、「旧塗装」復元に向けた関係者の方々の並々ならぬ熱意とご努力が伺え、
「よくぞここまで・・・」と、ただただ頭が下がる思いです。
粟生線探訪の折には、是非彼地を訪れ、懐かしい姿をご覧いただく事をお勧めします。
電車小僧の想いとしては、次は是非、現役の1100系あたりで「旧塗装」が実現しないかな?と思ってしまいますね。


お世話になりました株式会社カコテクノスの方々に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


【ご参考】
カコテクノス1117号車の見学受付については、こちらです。
http://www.kako.co.jp/topics/shintetu.html

カコテクノス 公式HP
  http://www.kako.co.jp/



 (2013.11.22 記)


                                                                                             −TOPへ−

   

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