藤原岳をバックに、近鉄富田へ戻るED45形の重連。
                 箱型デッキ付のスタイルながら、少し細めの車体は同時期に製造された相模鉄道ED10形にも似ています。



             2009年8月の撮影日記から−三岐鉄道三岐・北勢線日帰り訪問(その1)−



                最近少々サボリ気味の「今月の一枚」・・・。
                一昨年夏の日帰り遠征の話題も、気がつけば巡り巡って2回目の春がもうすぐ眼前に。
                マイペースな管理人の性格ゆえ、どうぞお許しを・・・!

                という訳で、2009年夏休みの遠征は、念願の三岐鉄道でした。
                同年3月に開通した阪神なんば線で神戸からの近鉄沿線アクセスが容易になった事や、以前訪問した秩父鉄道と
                双璧をなす電機健在の私鉄で、以前より訪問したかった鉄道の一つです。

               

                まだ早朝で三宮からの奈良行き快速急行がない為、尼崎でなんば線に乗り換えます。
                折角の遠征、難波からはちょっと奮発して、アーバンライナーのデラックス車に乗車。
                特急券は前もって、三宮の阪神窓口で購入していたものです。
                いつの日か、ここから近鉄特急で名古屋に行ける日を夢見つつ・・・

                流れる景色を見ながらの朝ごはんは、何とも贅沢な気分(笑)
                快適なゆりかごシートに身を任せ、電車は青山峠を超えて一路名古屋へと向かいます。

                四日市で特急の旅は終わり、普通電車に乗り換えて近鉄富田へ。


                  神戸は近くなりにけり・・・。


                さて、ここからはすぐ三岐線に乗り換えず、少し歩いてJR富田駅に向かいます。

                

                JR富田駅東側には三岐鉄道の本社があり、嬉しい事に鉄道部では三岐線・北勢線のダイヤグラムを販売しています。
                三岐線ダイヤには勿論貨物列車のスジも記載されており、沿線での撮影には非常に重宝します。
                いずれも青焼きで200円。通信販売もしていますので、ご興味のある方は三岐鉄道HPをチェックして下さい。

                事務所の方に伺うと、本日はウヤも無く、予定通り貨物列車は運転されるとの事。
                天気も良く、いい一日となりそうです。

                

           

        JR富田駅は三岐線との貨物受け渡し駅で、広い構内には入換中のセメント貨車の姿。
        そして・・・いましたいました、茶色の車体に黄色の帯を巻いた電機が。高らかにパンタを上げ、重連で発車待ちです。
        ホームの駅名板は、かつて僅かながら運転されていた旅客列車の痕跡でしょうか。
        広い構内に、ポツンと忘れ去られたように残っていました。

                

                しばしの静寂の後、やや短めのセメント列車はホイッスルを響かせ、東藤原へ発車していきました。


                

                さて、再び近鉄富田駅へ戻り、窓口で 「三岐鉄道一日乗り放題パス」 (大人1,000円)を購入。
                ここから三岐鉄道車中の人と相成ります。
                ホームに佇むのはクモハ101系の2連。旧国鉄の101系を彷彿させる懐かしいマスクは旧西武鉄道の401系で、
                三岐鉄道の営業用車両は全て西武鉄道からの譲受車で構成されています。


                

                夏の暑い日射しの下、車体を揺さぶらせながら電車は快調に西藤原を目指します。
                運転台の後ろから眺める風景、数年前の秩父鉄道でも同じような感じだった事を思いだしました。

                貨物営業を行う私鉄としては、東の秩父鉄道と双璧をなす三岐鉄道ですが、ここにはもう一つ全国的に有名な
                施設があります。それは・・・?


                

                丹生川駅に隣接する「貨物鉄道博物館」。全国でも珍しい「貨物」をテーマとした博物館です。
                各地から集まるボランティアスタッフの方々が中心となって活動を続けており、2010年10月には特定非営利活動法人
                (NPO法人)化されています。


           

        (左)館内公開は原則第一日曜日の月一回ですが、展示車両は屋外から自由に見る事ができます。
          蒸気機関車は1898年英国製のB4形39号。元は東武鉄道で活躍していました。
        (右)構内に鎮座まします貨車の数々。法人からの貸与・譲渡のみならず、個人所有の貨車もあります。


           

        (左)これはすごい!変圧器輸送用の130t積大物車、シキ160形。ド迫力!の一言に尽きます。
        (右)協三工業製の構内入換車、DB101形。黒一色の車体が殆どの貨車たちの中、ブルーの車体が良く目立ちます。


                

                歴史ある車両群を堪能した後は、しばし丹生川駅近隣を散策する事とします。
                時刻は丁度昼ごはん時。付近に定食屋でも・・・と思いましたが、目立ったお店は何もありません。
                おまけにこの猛暑で、街中には人影も殆ど見えず・・・。

                

                先程乗って来た電車が、西藤原から帰ってきました。それにしても暑い!

                

                とりあえず、車通りの多い道ならコンビニでもあるかも・・・と思いながら、一つ隣の伊勢治田駅まで歩く事に。
                ところが、これまた目指す食べ物屋さんがない!自販機で買ったスポーツドリンクと日陰で休息をとりながら、
                やっとの事で伊勢治田駅に到着・・・したら駅舎は遥か彼方。いやはや疲れました・・・。


                

                伊勢治田駅の構内には、御役御免となった車両たちが留置されていました。
                彼方に見えるのは、すっかり色褪せた秩父鉄道からの譲受車デキ200形。廃車されちゃったのかな?


                

                

                留置車両の向こう側に停車していたセメント列車が、リズミカルにジョイント音を響かせて発車していったと思いきや、
                ほどなく東藤原行のデキ重連が、タキ車4両を連ねて到着。上り普通の交換待ちです。
                貨物は旅客用ホームには入らず、貨物専用の長い側線で待機。この辺りも秩父と同じですね。


                

                列車交換を終えて、下り貨物が東藤原へ向けて発車。重連のせいか思ったより出足が鋭く、電機独特の
                重苦しさを感じさせません。
                それにしても・・・ああハラへったぁ〜!

                さて、この後の行程は? 果たして昼ごはんには無事ありつけたのか? 答えは 「その2」 に続きます。


       (2011.03.05 記)


                                                                                                                            −TOPへ−

   

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