葉多駅東方から電車を望む。いつもと同じような場所でも、背景の山々が叉違った印象を与えます。


        2007年4月29日の撮影日記から −粟生線沿線・レンゲ野巡り−



       さて、いよいよ今年のゴールデンウィークもスタートしましたね。
       神鉄沿線ではなのはな〜レンゲ〜新緑の山々と、私たち電車小僧にとっては写欲をそそられる時期です。
       ふと、昨年は有馬〜三田線沿線での撮影が多く、粟生線については家族ドライブでの「合間鉄」や、有馬線
       系統との掛け持ち程度であることに気づきました。
       丁度タイミングよく、900円で一日全線乗り放題の「GWフリーパス」が発売された事もあり(新開地〜粟生往復で
       十分おつりが来る!)久々に一日じっくりと腰を据え、豊かな自然の待つ粟生線沿線へ出掛ける事としました。

       高速そばで腹ごしらえをし、早朝の新開地を出発。
       今や営業用車最古参の1100系ファーストナンバー、1101F3連で揺られる事一時間と少し・・・。
       終点粟生の一歩手前、小さな無人駅の葉多で下車すると!

       

       予想通り、小野工高裏手から葉多に掛けて、今年も見事なレンゲ野が広がっていました!
       正に一面全てが「紫の絨毯」・・・絶景という以外に言葉が見つからない程です。

       朝方の葉多駅前は車両側面に光が回らない為、下車後は小野工高裏手へ移動。
       レンゲの花の周りでは、小さなミツバチが忙しく動き回っています。
       紫の花の中に頭を突っ込んでみつを集めては、次の花へせわしく飛び回り・・・本当に働きものですね。

       高校のグランドでは、野球部の部員達が大声を張り上げて朝練の真っ最中。
       グランドに並ぶテントの数々・・・は、連休中の合宿なのでしょう。


       

       今年のスルッとKANSAIカレンダーでもおなじみ、定番の葉多駅横のレンゲ畑です。
       駅に近い畑では既に鋤き込みが終わっているところもありましたが、このあたりはまだ大丈夫。
       畑ではヒバリがせわしく合唱を繰り返し、空では体の小さいカラスが大きな鳶を追廻す姿も・・・。


       

       朝の15分ヘッド運転も終わって電車も30分ヘッドに。長閑な時間が流れます。


       

       当初は三木鉄道への寄り道も考えていましたが、絶好の晴天。じっくりと粟生線の撮影に専念します。
       葉多から電車で少し神戸方へ移動、小野〜市場間のレンゲ畑へ。開花状況は来る途中の車窓より確認済です。


       

       帰宅後分かったのですが、当日は今年一番の暑さで大阪は26℃を記録したとか。
       小野からのルートは下り坂とは言え、すっかり汗ばんでしまいましたが、来るだけの価値はありました。
       2年ぶりの現地は一面の花畑。弁当&缶ビール持参で来れば良かったなぁ・・・。


       

       トラクター君もちょっと小休止・・・。


       

       畑作業のおっちゃんに聞いたところ、毎年レンゲの見ごろは4/20頃。
       撮影時は既にピークを過ぎてやや色褪せた畑もあり、緑肥としての鋤き込み作業は例年GW中の
       4月下旬〜5月上旬で終えてしまうそうです。
       「ウチは5月の5・6日で全部やってまうから、早う撮っとった方がいいで〜」と教えてくれたおっちゃん、
       いい写真が撮れたら叉持って行きますね。

       


       

       市場駅横の保線基地では珍客かしゃでんしゃがお昼寝中。昨晩の作業でやってきたのでしょうか。


       

       

       再び葉多でのんびりと撮影。こいのぼりも春風の中、気持ち良さそうに泳いでいます。
       朝の撮影時にはまだ残っていたレンゲ畑が、昼に戻ってきた時には鋤き込みが終わって無かったところも!(汗;)


  

       終点粟生ではJR加古川線と北条鉄道のディーゼルカーが丁度接続。
       加古川線の上下列車を含めて4方向からの列車が集まり、小さな駅舎はつかの間の賑わいを見せます。

       やがて、それぞれの目的地に向かって列車が次々と出発して行くと、辺りは再び静けさを取り戻しました。


       

       

       粟生駅前は昨年の当欄でもご紹介した通り、再開発計画が進行中でした。
       事前にキハユニ15さんから「駅前の雑貨屋さんも取り壊された」との情報を頂いていました。
       ご覧の通り、駅前は散髪屋さんを除いてすっかり更地に。写真左側の元農業倉庫跡では、物産館?の
       建設準備が進んでいました。
       そんな中でいつもの様に聞こえて来るのは、加古川のせせらぎとヒバリのさえずり声・・・。
       数十年もの間、時が止まったような静かな粟生の町にも、変化の時は刻々と近づいているようです。


       

       静かな街中をしばし散歩の後、夕方近くの電車で粟生を離れました。
       今回は車を使わず電車&徒歩だった為機動性には欠けたものの、久しぶりにじっくりと腰を据えて
       撮影を楽しむ事が出来、大変充実した一日でした。
       5月下旬には沿線で田植えも始まる頃。まだまだ楽しみな日々が続きそうです。



       (2007.4.29 記)


                                                                                                                 −TOPへ−

   

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